凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「元恋人たちは、女友達は多かった?」

「多かったです」

 質疑応答をしていて抱いた感想としては、彼女は自分に合う男を選べていない。

「世の中そんな男だけじゃない。マメな人間だっているし、飲みの席が苦手だったり、女友達が極端に少ない人間もいる」

 説明をしながら、それって俺じゃないか? と内心思ったが、ひとまずそれは置いておく。

「そういう相手と付き合えば、新川さんが懸念する事態は起きない」

 キッパリ断言すると新川さんは目を伏せて、遠慮がちに微かな笑みをたたえた。

「ありがとうございます。こんな話、今まで姉にしかしていなかったので、聞いてもらっただけでもありがたいのに、そんなふうに言ってもらえて嬉しいです」

「事実を述べただけだ」

「思いきって話してよかったです」

 どこか吹っ切れたように穏やかな表情でいる新川さんに、ふと気になったことを聞く。

「異性と連絡先を交換しない理由はわかったけど、どうして俺には教えてくれたんだ? こうして男性を避ける理由まで話したのはどうして?」

 真面目な顔を向けたら、新川さんは気まずそうに俺から目を逸らした。なんなんだ、と胸がざわつく。
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