凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「だから詮索するのも、干渉するのもよくないと思って我慢するんですけど、彼がなにをしているのか気になって、スマホをずっと握りしめて悶々として、食事は喉を通らないし、考え込んで眠れなくなってしまうんです」

 俺はそういうタイプではないので共感ができると言ったら嘘になるが、彼女みたいな人間は世の中にありふれていると思う。

 そこまで気に留めるようなことなのかと首を傾げたくなった。それに。

「それは、新川さんだけの問題ではないんじゃないか? 相手の男が、新川さんを安心させるコミュニケーションを取れなかったのが悪いだろう」

 彼女と交際した過去の男に苦言を呈すると、新川さんは目を丸くした。

 この反応、一ミリも相手に非があると思わなかったのだろうか。だとしたらどこまでも相手に尽くすタイプだったのだろうと、なんだかこちらが切なくなる。

「付き合った人間は皆、連絡はマメではなかったのか?」

「そうですね」

 新川さんは、困惑しながらも俺の質問に素直に答える。

「異性もいる飲み会に、頻繁に参加していたのか?」

「……はい」

 大学生ならばそういう機会が多いのかもしれないが、航空大学に通い、勉強に明け暮れていた人間しか周りにいなかった俺からすれば、別世界の話のようにすら感じる。
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