凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「夜分遅くにすまない」

『二時頃まで起きているので大丈夫ですよ』

「明日も遅番?」

『明日明後日はお休みです。水曜日は早番で、そのあと早遅遅と続いて、また二日のお休みをもらいます』

 こうしてスケジュールを教えてくれたのは、俺に会う時間を作ってくれると捉えていいよな。

「それなら水曜日、仕事上がりに時間があるならふたりで会いたい」

 電話の向こうで息を潜めているのがわかる。断られたら、互いの仕事が終わったタイミングで……。

『水曜日ですね。空けておきます』

 次のプランを練っていたところに、思いがけない返事がきて瞬きを繰り返した。

「無理していないか? 難しいなら仕事上がりに空港で渡すよ」

『椎名さんは目立つ人なので、空港より外で会った方が私は助かります』

 本心だろう。率直な意見が聞けて嬉しくなる。言いたいことを言えるくらい、距離が縮まったのだから。

「わかった。紺野とふたりで飲んでいるから、ホテルに戻ったらまた連絡する」

 チラリと紺野を見るとオバケに遭遇したような顔をしていた。
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