クールな外科医はママと息子を溺愛したくてたまらない~秘密の出産だったはずですが~
「違うんです。私じゃ由岐先生にはつりあわないと思って……だから、恋人がいたって嘘をついて、距離を置こうと思って」
嘘も強がりも、由岐先生のことが好きだから。
「由岐先生のことが好きだから、だから頼のことも生みたいと思ったんです。
由岐先生のことが好きなこと、この先一生誰にも言えないとしても、それでもいいって決めたんです」
「バカだな。つりあうとかそんなこと関係ないだろ」
私の言葉に、由岐先生は呆れたように笑いながら抱きしめる腕に力を込める。
「俺は、まっすぐに見てくれる美浜だから心惹かれたんだ。再会してもっと美浜のことを知って、もっと好きになった」
そして目を見つめて、優しく微笑んだ。
「好きだよ、美浜」
そのたったひと言が、この胸の中の不安や迷いを打ち消して、幸せな気持ちで埋め尽くしてくれる。
「私も……由岐先生のことしか、見えないです。ずっと、ずっと大好きです」
ようやく言えた気持ちに、由岐先生は嬉しそうに顔をくしゃくしゃにして笑ってみせた。
そして腕の中の頼に視線を向ける。
「頼も、俺のこと父親として受け入れてくれるか?」
由岐先生の問いかけに、頼はきょとんとした目で私たちを見上げた。
けれどすぐに顔をぱっと明るくさせて
「ぱんぱぁ、まんまぁ、しゅき!」
そう言って私たちに抱きついた。
『大丈夫』
あの日の由岐先生のひと言が、これまで私をずっと支えてくれていた。
だけどこれからは、私も彼を支えられるように。そして頼を守れるように。
強くなろうと心に誓った。
愛する、家族と生きていくために。
END.


