白鳥とアプリコット・ムーン ~怪盗妻は憲兵団長に二度娶られる~

+ 2 +


   * * *


 きしっ、きしっと木の拷問台が軋む。台の上で鎖によって縛りつけられたままのローザベルは、ウィルバーの手に翻弄させられて、息を弾ませている。

「ぁ……いやぁんっ……」
「鈴のような可愛い声だな……ずっとこうして聞いていたい」
「んっ……だめ、恥ずかしいっ、そんなとこ、汚」

 ローザベルの言葉を拒むように、ウィルバーの舌先が隠された場所を暴いていく。ローザベルの記憶があった頃は、こんなことしなかったのに……!

「ゃあぁあんっ――!」
< 121 / 315 >

この作品をシェア

pagetop