LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「にしても、篤が専務だなんて」


そう笑う滝沢斗希の言葉に、
川邊専務は、何処か恥ずかしそうに顔を赤らめている。


「うっせぇ。
秘書迄付いて、落ち着かねぇ」


そう言って、突然川邊専務に視線を向けられ、私は戸惑い笑顔を浮かべる事しか出来ない。


「秘書かぁ。
篤、くれぐれも手なんか出すなよ。
最近は、不倫問題は社会的に風当たりが強いから」


そう笑いながら川邊専務に滝沢斗希は話しているけど、
それは、私に対しての牽制なのだと気付いた。


きっとこの男は、眞山社長に近付いたように、
私が川邊専務にも近付くと思っているのかもしれない。


「手なんか出すかよ。
浮気したら梢(こずえ)に殺されるからな」


その川邊専務が口にした、梢という名前は。


川邊専務の、奥さんの名前なのだろう。


川邊専務のその奥さんも、元々はこの会社の社員だったと聞いた事がある。


川邊専務の子供を妊娠し結婚して、
産休と育休を取り、またこの会社に復職するはずだったと。


だけど、その育休中に二人目の妊娠が分かり、
そのまま退職したのだと聞いた。


噂でしか知らないが、川邊専務のその奥さんは、とても美人な人らしい。



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