LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「小林、もういい。
梢がここに来たのは、お前から本当の事を聞きたいからだ」
それは、もう川邊専務は本当の事を全て話したのだろうか?
「川邊専務、あの時凄く酔ってて。
酔ってるのをいいことに、私、何かを合った風に装って。
本当は何もなかったのに。
けど、その事で川邊専務と斗希を脅して、私、斗希と結婚したんですよ」
そう、梢さんに訴えかけるように言うけど、
その目は、私を見返すだけで。
「小林、もういい…。
嘘、付くな。
本当の事を、話して欲しい」
再び、同じような言葉を川邊専務は口にする。
私は、だからって本当の事を、話せるわけなんてなくて。
「実はな、封筒に入っていたのはその写真だけじゃねぇんだ」
そう言って、川邊専務がテーブルに置いたのは、
斗希が持っているのとは形が違うけど、ICレコーダーだろうか。
「これ自体に録音されてるわけじゃなくて、これに差してあるSDにそれが録音されてて」
心臓が、早鐘を打つようにドキドキとしている。
川邊専務は、それを触り再生した。
『川邊専務、もう辞めて下さい。
…辞めて…いや…。
もう辞めて!
いや…。
…うるせぇ。
逃げんな、殺すぞ。
ヤらせろ…』
思わず梢さんの顔を見るけど、
苦しそうにその目を閉じている。
その音声は、流れ続けていて。
「もういいです!」
私はそれを触り、音声を止めた。
「さっきの写真は分かんねぇけど、
これを録音出来るのは、その場に居た俺と小林のどちらか。
いや、事前に誰かがあの部屋に盗聴器とか仕掛けてあったなら、分からねぇけど。
いや、別に、お前が何かを企んでとかは、もうどうでもいい。
ただ、本当の事を、お前の口から梢に告げて欲しい」
その川邊専務のお願いは、とても酷な事で。
けど、私以上に、それを告げられる梢さんの方が、辛い。