LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「それで、篤との事は黙っててくれるの?」


「はい。
先程も言ったように、川邊専務は利用しただけ。
彼に何も恨みなんてない。
あなたが、私の言う通りにしていれば」


「―――分かりました」


その返事は、何処か負けを認めるように感じた。


「川邊専務には、あなたから適当に言っておいて下さい。
例えば…、私があなたに気が有りそうだから、
結婚を餌に黙らした、とか?
逆でもいいですよ?
私から、黙ってて欲しければ結婚を迫られた、とか?
まぁ、実際その通りですし」


「分かった。
きっと、それで篤は納得するだろう」


川邊専務は、納得をせざるをえないだろうな。


もし、もっと違う事でならば、
自分のせいで親友の滝沢斗希がそんな風に犠牲になる事を許さないかもしれない。


だけど、それを見過ごしてでも、
今回の事を家族には知られたくないだろう。


私は鞄から、その紙を取り出した。



婚姻届。


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