私は1人じゃない





金閣寺はその名の通り輝いていて、松も整えられていてさすが世界遺産。


遠くから見ても目を引くものがある。


班行動だから6人で行動しようと思っていた。


「2人2人で行動するか」


いきなり蓮がそんなことを言い出す。


自意識過剰かもしれないけど漣の言葉の意味分かっちゃったよ。


「いや、みんなで行動しようよ」


絶対に阻止しなきゃいけない。


漣の思い通りばかりにさせるもんか。


「………これは班長命令」


出ました、意味不明。



みんなのためじゃなくて完全に自分の都合に合わせたいからじゃん。


このままだと完全に蓮の思い通りに行動するしかなくなる。


私たちはロボットか。


せめてみんなの意見聞いてから判断して欲しい。


「班長に命令する権利ない」
「みんなを束ねるのが班長だろ、命令したっていいだろ」


蓮は自分勝手、強引。


理解してるつもりだけどやっぱりムカつく。


でもここでケンカする訳にはいかない。


「……分かったから、でも2人ずつ行動しなくて良くない?」
「………何回言えば分かる」


あぁ、頑固。


頑固すぎる。


これは変わらない。


「ねー、2人でもいいんじゃない?」


凌、余計なことを言わないで。


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