私は1人じゃない



「なぁ宮原」
「なんですか?」



「なんで杏衣ちゃん泣いてた?」
「知りたい?」


「そりゃぁ泣いてるのは気になる」
「よくスイーツを昼ごはんの時とかに持って来てくれて、ある時行ったの、ママが食べてくれないから朱莉が食べて嬉しいって、多分理由はそれだよ」




自分が作ったものを食べてくれるのは嬉しいけどお母さんにも食べて欲しかったと考えていたのかもしれない。


杏衣ちゃんは普段お母さんの話をしないからあまり考えていないと思っていたけど、お母さんのこと考えていない訳がない。


いくらひどいお母さんでも、離れてしまっても自分のお母さんを忘れないわけないし考えてしまうのが普通。




「だから、先生、杏衣を大切にしてよね」
「なんだよそれ」


「だって先生が杏衣を見る目が同居人でもないし保護者のような目でもなかった、大切に暖かく見守ってあげたいような男の目してたよ」
「そんな恋愛マスターみたいな分析するなよ」


「恋してるような男の目とは言ってない、先生どうしたの?」


まんまとはめられた気がするような、しないような、、


「宮原ー」
「先生のためにワンポイントアドバイス」


「どんな時も杏衣を裏切らないこと」




俺が前にできなかったことだった。
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