木沢彰吾、禁煙を決意する 『恋に異例はつきもので』おまけSSその1
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 花梨の存在をはじめて知ったのは、昨年の社内の企画書コンペ。
 応募者は20人あまり。
 
 どれも似たような企画ばかりだったが、その中で意表をついていたのが花梨のものだった。

『駄菓子屋再生』
 
 企画書自体は、まとまりに欠けていて、とても実現出来そうなもんじゃなかった。

 だから他の審査員は歯牙にもかけなかったが、俺は妙に引っ掛かった。

 彼女が主張していた「子供のサード・プレイス」という言葉に。

 おもちゃ屋の仕事を受けたばっかりだったこともあったが。
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