8月25日(前編)
そう言うと水樹くんはローファーに履き替え、昇降口を出て行く。

本当に帰る気?いいの?…


なんて思いながらも水樹くんの背中を追う。

「ね、せっかくだからどっか遊び行こっか?」

校門を出ると振り返ってそう言った。


「どこに行くの?」

「んー、暑いから屋外は無しだね。とりあえずどっか入ろっか」

と手を握られた。


何もかもが初めてすぎて戸惑う。

外で水樹くんと並んで歩くことも、学校をサボることも、朝陽以外の男の人とこうして…デートみたいなことをすることも。


「紗良ちゃん…何をそんなに紗良ちゃんを苦しめてるの?何があったの?」

「……」

それは……言えない…言いたくないし思い出すのもつらい。
< 132 / 530 >

この作品をシェア

pagetop