8月25日(前編)

蟠り

春なんて気づけばあっという間に過ぎている。

気づいた時には桜も散っていて、また気づけばジメジメした梅雨がやってきていた。


「紗良、わたしが巻いてあげるよ」

と手からハチマキが和子の手に渡る。

そして慣れた手つきでハチマキが頭に巻かれた。


今日はスポーツ大会だ。


わたしは去年の経験をいかし、今年もバレーに参加することになっていた。

といっても、去年は補欠で特に思い出はないんだけど…

でも千波と練習した経験を少しでもいかせたらと立候補したのだ。


そしたらなんと、今年は補欠ではなく試合に出ることに。


これは千波に報告しないと!

と昨夜久しぶりに連絡を交わした。


どうやら千波も新しい学校で楽しく過ごしているみたいだった。
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