8月25日(前編)
「まぁ、慧のことは俺に任せて?」

そう言った平野くんに顔をあげる。

「俺が慧のクラスまで行ってそのまま帰るから」


ってそこまでしてくれなくてもいいのに。

多分2人が言うほど水樹くんは気にしないと思うんだけどな。

「じゃ、俺行くわ」

と平野くんが立ち上がった時だった。


「逞ってまだいるかな?」

あ、水樹くんの声…

廊下から聞こえた声にドキッとする。


「逞くんならまだ中にいるよ」

と同じクラスの子の声がすると、前のドアから顔を覗かせた水樹くん。


「あ、いたいた。え、何してたの?」

わたしたち3人の妙な雰囲気に気づいたのか水樹くんが怪しむ。


咄嗟に俯いて水樹くんから顔を見られないようにするけど心臓がバクバクとうるさい。
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