【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


「あ、一応、熱測りますね……」

「そうだな。測るか」

 寝室に戻り、もう一度体温を測る。その1分後、体温計がピピッと鳴った。

「37.3……」

 一応下がってはいるけど、まだ微熱ではあるか……。今日も爽太さんの言う通り、大人しく安静にしてないとダメだな……。
 ちゃんとしっかり治してまた元気にしなくちゃね……。

「紅音、熱どうだ?」

「ちょっとまだ、微熱ですかね……」

 と答えると「じゃあ、ゆっくり休んでおけ。……早く治すためにも」と言って、爽太さんは頭を撫でてくれた。

「……はい。そうですね」

「俺は仕事に行かないとならないが……。もし何かあったら、いつでも俺に連絡してくれて構わないから」

 爽太さんからそう言われたわたしは「……ありがとうございます」と答えると、爽太さんの手を握りしめた。  

「こんな時にそばにいてやれないのが、本当に心苦しいよ。……ごめんな、本当に」 

「いえ……。爽太さんがそばにいてくれるだけで、安心します」

「そっか。なら良かった」

 爽太さんがそばにいてさえくれたら、わたしはそれだけでいいんだ。
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