【完結】わたしたち、離婚を前提の期間限定夫婦になります。


「……ありがとう、爽太さん」

「気にするな。俺はお前の夫なんだから」

「はい」
 
 こういう時に看病してくれる人がいるって、いいな……。安心するし、ホッとする。

「今冷えピタ持ってくるから、ちゃんと大人しく寝てるんだぞ?」

「分かってます……!」

 なんて時々、子供みたいな顔をして笑う爽太さんのことが、わたしは大好きだ。
 ずっとこのまま、爽太さんと一緒にいられたらいいのに……なんて気持ちが、どんどん強くなる。

「俺は仕事に行く準備をするから、何かあったらすぐに言えよ」

「はい」

 ずっとずっと、一緒にいたい。……ずっと一緒に、いたいよ爽太さんと。
 爽太さんと離れ離れになるなんて、考えられないよ……。離れたくない。 

「……爽太さん」

「ん?」

「……いえ、何でもないです。 看病してくれて、ありがとうございました」 

 わたしは口を紡いだ。爽太さんに自分の気持ちを伝えたいと思った。
 だけど出来ない……。爽太さんを困らせたくない……。

「気にするな」

 爽太さんはわたしの頭をそっと撫でて、寝室のドアをゆっくりと閉めた。
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