天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~

そして今、目の前には涼しい顔をした人が、ジッと私を見ている。

「こっちに座れば?」
いくら大手とはいえ、部長でこんなに高級なマンションに住めるのだろうか。そんな疑問を抱くぐらい広いリビングの中央にある大きなソファにゆったりと座り、冷たい瞳で静かに言われるも、私はその下のラグの上で正座をしていた。

あの後、綺麗に洗濯されてた服を返してもらい、話し合いの為にこの場にいる。
しかし、どこから聞けばいいかわからないし、この上司が自ら説明してくれるとは到底思えない。

「あの、昨日は何をしたんでしょう?」
少しだけ部長の表情を見ながら問いかければ、眉一つ動かす彼が口を開く。

「何って。服を脱がして、キスをして……」

「って! 違います! その何じゃなくて」
自分で突っ込んで、やっぱり体の関係を持ったのかと信じられない気持ちになる。
あの朝の恰好からもしかしてとは思っていたが、やっぱりそうだったとは。
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