なぜ婚約者なのか説明書の提出を求む
 きょうは後片付けも玲於奈さんがしてくれた。何だか申し訳ない気持ちになる……。

「はい。コーヒー」

「何から何まで全部して貰って、ごめんね」

「何で謝る? これくらい普通だろう」

「ありがとう」

「ん? 何か茉帆、顔が赤くないか?」

「そう?」

 玲於奈さんが私のオデコに手を当てる。
「茉帆。熱っぽくないか? 体温計は?」
体温計を持って来て
「計ってごらん」

「あ。うん」

 ピピピッと鳴り出した……。

「見せて」

「えっ? 熱が……」

「茉帆。37,8℃って。直ぐに寝た方が良いな」

「ごめんね……」

「何で謝るんだ? 疲れが出たのかな? とにかくもう休め」

「うん。そうする」
部屋に戻ってベッドに横になる。

 すると玲於奈さんが
「茉帆。入るぞ」

「はい……」

 氷枕とスポーツドリンクと体温計を持って来てくれた。

「解熱剤も飲んだ方が良いかな?」

「もう少し様子を見て、まだ上がるようなら……」

「そうだな。じゃあ解熱剤も持って来るよ」
解熱剤もベッドサイドチェストに置いてくれた。

「苦しくないか?」

「うん。大丈夫。熱っぽいだけだから」

「ちょっと待ってて」
玲於奈さんは部屋を出て行った。

 暫くして
「悠輔さんに電話して聴いてみた。疲れから来る物だと思う。38℃超えるようなら解熱剤も飲ませて明日も下がらないようなら受診してと言われた」

「うん。ありがとう」

「眠った方が良い」

「うん……」


< 101 / 188 >

この作品をシェア

pagetop