地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
 《星劉》のテーブルでは如月さんがすでに座っていてステーキを食べていた。


 あの五千円もするステーキ、こういう人が食べてるんだなぁ。

 注文のところに“人気メニュー”と書かれていたのを思い出した。


「えっと、失礼します」

 如月さんは特にこっちを気にした様子はなかったけれど、一応挨拶はしておく。


「美来はここな」

 明人くんに席を指示され座る。

 こっちでも“総長”の真ん前の位置だった。

 そして当たり前の様にあたしの両隣に明人くんと勇人くんが座る。


 もうこれは定位置になってるのかな?


 如月さんはあたしを気にせずに黙々と料理を食べているから少し気まずかったけれど、うどんが目の前に来るとそれすらも気にならなくなった。

「お出汁のいい香り……」

 トッピングはかまぼことネギ、揚げ玉のシンプルなものだけれどシンプルだからこそお出汁が引き立つ。


 早速息を吹きかけ冷まして麺を吸い込む。

 このコシ、このもちもち感! やっぱりうどんと言ったら讃岐うどんだよね。

 前に水沢うどんと稲庭うどんも食べたことがあってそっちももちろん美味しかったんだけれど、手軽に入手出来ないからか特別なときに食べるものって感じがする。

 普段食べるなら讃岐うどんって感じかなぁ。
< 121 / 878 >

この作品をシェア

pagetop