地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~


 ……寝ちゃった?


 あたしはそっとしのぶがいる前の方に身を寄せ、ヒソヒソ声で質問する。

「この人が、さっき言ってた不良の久保くん?」

 あたしの声にしのぶも身を寄せてきて答えてくれた。

「うん、そう。……でも珍しいな、昼からわざわざ来ることなんて今までなかったのに」

 そう言って不思議そうにしているしのぶから久保くんに視線を戻した。


 威圧的に見下ろされたときはビックリしたけれど、今はもう寝てしまったようで動かない。

 しのぶが言った通り、授業に出ても寝てばかりいるみたいだ。


 とりあえず刺激しなければ大丈夫かな?

 さっきも地味な女って言った後はあたしへの興味完全になくなったみたいだし。


 そう思って、あたしはとりあえず安堵した。



 昼から授業を受けに来たという、しのぶが不思議がるくらい珍しいことをどうして久保くんがしたのか。

 その理由なんて気にも留めずに……。

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