地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「そこが分かってねぇのかよ……」

 呟きに首を傾げると、久保くんは「うっ」と小さく呻き今度は自分の胸の辺りをガシッと掴んだ。

「だから、そういうことされると動悸が激しくなりすぎて辛いんだよ」

「ええぇ?」

 やっぱり意味が分からなくて困惑する。

 でも、それを追求するための質問をする前に寮の前に一台の乗用車が停まった。


「あ、もう来ちゃった」
「ん? なんだ? 迎えが来るところだったのか?」

 慌てて階段を下りるあたしについて来るように、久保くんも下りてくる。

 下りきる頃には、車から双子が出てきたところだった。


「おはよう。勇人くん、明人くん。今日はよろしくね」

「美来、おはよう。こっちこそよろしく」
「おはよう。……ってかなんで久保と一緒なわけ?」

 勇人くんは笑顔で挨拶を返してくれて、明人くんは挨拶を返したすぐ後に久保くんを見て眉間にしわを寄せた。


「あ、久保くんは今部屋を出たときに丁度バッタリね。これから病院に行くんだって」

「ふーん……」

 一緒に行くわけじゃないことを伝えたのに、それでも不満そうな明人くん。

 そしてそんな目で見られている久保くんは、何やら焦ったように戸惑いを見せた。
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