地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「まあ、銀星とかには言っちゃうかも知れないけど。わざわざ言いふらすようなことはしないって」

「うん……」

 っていうか、あたしを狙っているらしい銀星さんに知られても大丈夫なのかな?

 まあ、銀星さんはあくまでカラダ目当て的な感じであたしを好きってわけじゃないから平気なのかな?

 なんて思っていたんだけれど、続いた遥華の言葉に耳を疑う。


「でもそっかぁ。銀星フラれちゃったんだねぇ」

「は?」

 フラれるって、誰に? あたしに⁉

「え? 待って、銀星さんあたしのこと子ども扱いしてたよね? 本気で狙って来てる感じじゃなかったよね⁉」

 驚きのまま聞き返すあたしに、遥華はこの間の文化祭前日の夜歌っていたところを見ていたと教えてくれた。


「え⁉ 見てたの⁉」

 学校が違うから部外者なのに、見ていたという事にまず驚く。

「うん、美来カッコよかったよー? 銀星もあのときの美来の姿見て本気になっちゃったみたい」

「ええー……」

 見られていたことにも驚いたけど、それで本気になられても困る。

 銀星さんを好きになることなんてあるわけないし……何より、そのせいで久保くんが酷いことをされないかと心配になってしまう。
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