望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~

「起きたなら帰れたわよね?」

「え? だって電車もないしなぜか柚葉さんが俺に抱きついてきてたから、一緒に眠りたいのかなって」

「そんなわけないでしょ! そっちが離さなかったのよ」
勢いよく一気に言った私は、怒りもあり息が切れる。そんな私をジッと見つめたあと、望月先生は「そういうことにしてあげますね」それだけを言うと立ち上がった。

「柚葉さん、そのまま外に出れます? いいなら無理やりでも連れてきますけど」
不敵な笑みを浮かべた彼に、私はなぜかゾッとした。
このままでは本当に連れて行かれそうな気がする。

「待って! 準備するから」
年下の可愛いだけだと思っていたこの人が解らない。そうは思うも従うしかない気がして、私は慌てて洗面所へと駆け込んだ。

どうしてこんなことに……。

ため息が零れるも、もうどうしよもなかった。

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