訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
アルさんは首を傾げ

「何言ってんだ?」

一歩一歩、ゆっくりと近付いてくる

「僕がソイツの事を知る? もう十分知ってるよ
 ソイツは、欲をかいたなんて理由で沢山の人を殺したんだ
 僕の友達もね?
 目の前で…、惨い死に方だったよ
 生き残った僕にも不死の呪いを掛けた上に
 僕が発動させた呪術で苦しんでれば…」

アルさんが、纏ってるローブを外すと

「こんな体にっ!こんなに痛くて苦しい思いをしなずに済んだんだっ!!!」
《!?》

皮と骨だけの痩せ細った体…っ
今にでも倒れそうな位だ

〔彼奴は、ある事で不死の呪いを受けた
 そしてもう1つ…
 我に掛けようとした呪術が、自分に返ったのだ
 彼奴は…、生きながらに朽ちる呪いに掛かっておる
 どれだけ死ぬ程の苦痛があろうとも…決して死なん
 …永遠と解放される事の無い、最悪の呪いだ〕
「ああ…でも、唯一お前に感謝する事があったな」

アルさんから黒い霧みたいなのが出てくる

「お前のお陰で、新しい力を手に入れたんだ!」

黒い霧がドンッ!と天にまで伸びる

〔…まずい、逃げろ〕
「どういう事だよ」
〔あれは闇の魔力、…しかもアレは!?〕

すると、黒い霧が俺達の周りを覆い始める

「今まで何度もお前を殺そうとして駄目だったが
 この力さえあれば!
 僕を裏切った君達も一緒に闇に葬ってあげるよっ!!」

上も塞がれた…っ

〔すまぬな…。其方達を巻き込んだ〕
「なっ…、どうにかならねぇのか!?」
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