訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
神獣、街の皆
ソルさんがまた居なくなる
数秒もしない内にガチャッと扉の開く音がしたと思ったら
真っすぐにこっちに来る大きい何か

〔我が主〜っ!!!〕

飛び上がって、栞を押し倒す

「「栞(姉さん)!?」」
「痛てて…。ラルフ」

栞は上半身だけ起き、されるがままに
…てか、犬?狼?が

「「喋ってる!?」」
「いえ、喋ってる訳ではありません
 ラルフ殿等の神獣は仲間同士でのみの伝達方法を使います
 故に本来ならば聞き取れませんが、シオリ様が我々にも伝わる様にして下さったのです
 ラルフ殿、シオリ様と一緒に来られたレン様とシオン様です」

栞の上から狼?が退き、俺達を見る

〔…信用出来るのか?〕

警戒されてるな

「ラルフ、この2人は大丈夫。紫音は私の弟で、蓮は夫なの」
〔…おっと?番(つがい)という事ですか〕

ジーッと見られる

〔…暫く様子を見させてもらう〕

挨拶?が済むとラルフは、また栞に構い始める

「申し訳ありません。ラルフ殿はシオリ様しか信頼してないのです」

栞しか?
でも、そうなると…

「姉さんがいない間は、どうしてたんですか?」
「先程の箱を守護していました」
「守護…、姉さんが居ない間、ずっと?」

栞にしか懐いてないなら
食べ物とか、どうしてたんだ?

「神獣は木の実や水等を摂るそうですが
 主を持てば、その者の魔力のみが糧となるそうです
 シオリ様はラルフ殿が死なぬ様に箱を作る際に細工を施したのです
 箱の側にいるだけで魔力を吸収出来る様にと、だからラルフは生きれていたのです」

なるほど

「ずっと私を待っててくれたんだね」
〔勿論です!〕
「ありがとう」

姉さんは俺達に向き

「ラルフは神獣…狼神族(ロウジンゾク)の末裔なの」

さっきから話の中で、サラッと言われてるけど…

「…神獣って……」
「神の化身、又は使いと呼ばれている存在です
 本来ならば姿を見る事すら叶わないので
 殆どの国では伝説の生き物として伝えられています」

……、そんな凄い生き物が目の前にいんのか
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