嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
第13話 再会
るか様が好きだと、はっきり分かってから、私はるか様の事ばかりを思い出していた。

会いたい。

るか様に会いたい。


いつだったか、お母様は”月は会いたい人と会わせてくれる”と言っていた。

るか様に会いたいと思う程に、私は月を眺めていた。


「つき。」

いつの間にか、はやてが庭にいた。

「はやて。」

「何度呼んでも返事がないから、心配したぞ。」

「ごめん。」

心、ここにあらずって、感じ。


「隣、座っていいか。」

「うん。」

私の隣に座ったはやては、なぜか緊張していた。

「なに?」

「ああ、いや。この前の事、謝ろうと思って。」

「この前の事?」

するとはやては、安心したように、笑顔を作った。

「つきを強引に抱いたのに、そんなの忘れていたっていう顔だな。」
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