嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
そっと、るか様の顔が近づいて、私の唇に触れた。

「愛している、つき。」

「私もです。」

言った。

るか様に、気持ちを伝えた。


「今、何と申した?」

「わ、私もと、申しました。」

るか様は、顔がほころんで、私を抱きしめた。

「我は夢を見ているのか。」

「夢ではありません。」

私もるか様を抱きしめた。


「ああ、我は嬉しい。想う相手と想いあっている事が。」

「はい。」

好きな人に、好かれる嬉しさ。

私も味わっている。

「そうなれば、帰すのではなかった。」

「ははは。」

そうだね。

私も、帰らなきゃよかった。
< 129 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop