嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
「では、またこのお社で会おうぞ。」

「はい。お待ちしています。」

「明日も来るか?」

「はい!」

私達は、笑顔を見せあった。


「つき。我は、いつでもそなたを想っている。」

るか様の姿が、薄くなっていく。

「私もです。私もるか様をいつも想っています。」

「では、また明日……」

「るか様!」

手を伸ばすと、るか様はスーッと消えてしまった。


るか様。

今日は、私達の新たな一歩だと思っていいの?

私は、るか様が消えた場所を、ずっと眺めていた。


問題は、生贄の件だ。

もしときが生贄になっても、干ばつは直らないかもしれない。

そうなったら、生贄を捧げても、無駄だ。

阻止しなければ。

ときが生贄になる事を。
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