嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
「ええっ!?」

ときを見ると、口を真一文字に結んで、泣いている。

「どうにかなりませんか?」

「どうにもならねえ。つき、おまえも知ってるだろ。やっぱり水神様は、10代の女じゃないと、願いを叶えてくれねえのよ。」

「そんな事ありません!」

私は思わず、大きな声を出してしまった。


「水神様は、年齢で決めたりしません!」

「では、なぜつきではダメだったんだ?」

「それはっ!」

大きな声を出して、ハッとした。


それは、私がるか様の気持ちに、応える事ができなかったから。

るか様は、私の気持ちがるか様に向くまで、ずっと待っていたのだ。


「それは……私が悪くて……」

「だろ?つきではダメなんだ。だとしたら、ときにするしかないだろう。」

「でも!」

るか様は言った。

私だから、受け入れたんだって。

ときじゃあ、妻に迎えられない。

もし受け入れられたとしても、ほのさんのように、永遠の命を過ごすだけ。
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