嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
第14話 新たな生贄
翌朝、村が騒がしくなっていた。

私は、村人が集まっている場所へ行った。

「どうしたの?」

「ああ、つき。」

皆、私を見て言いにくそうだ。

「何があったの?」

「それがな……」

村人の一人が、ちらっと人だかりの中を見た。


「えっ?なに?」

私が人だかりの中をぬって、中に入ると、そこにはときが村人にすがっていた。

「お願いです!助けて下さい!」

泣きながら、お願いをしているとき。

「とき!」

私は、ときの側に駆け寄った。

「何があったの?」

「つき……」

ときは、黙っている。


見かねた村人の一人が、私に言った。

「あのな、つき。正式に、ときが生贄だって、決まったんだ。」
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