嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
「あとは、二人で話をするんだな。」

そう言うとはやては、村に向かって去って行った。


「あの男が、はやてか。」

「うん。」

「そなたの想い人か。」

私は、ちょっと寂しくなった。

「私の想う人は、今はるか様です。」

「そうであったな。」


私はるか様の胸の中に飛び込んだ。

「会いたくて仕方ありませんでした。」

「我もだ。」

私達は見つめ合うと、そっと唇を重ねた。


「村の様子はどうだ。」

「はい、一旦ときを生贄にしようと、儀式を開いたんですけど、私が邪魔しました。」

「うん。見ておった。」

「やっぱり。」

私達は、笑い合った。
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