嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
「今は、生贄の件は白紙になっています。」

「そうか。」

私はるか様から少し離れた。


「るか様、お願いです。雨を降らせてください。」

「唐突だな。」

「雨が降れば、干ばつは直るし、生贄だって捧げなくてもよくなります。」

するとるか様は、じーっと私を見た。

「それは、そなた次第だな。」

「えっ?」

するとるか様は、クルッと私に背中を向けた。

「るか様?」

「また明日も来るか。」

私は一瞬、戸惑った。

「我は来る。そなたを待っていよう。」

そしてるか様は、スーッと消えて行った。


「えっ?」

どういう事?

雨を降らせるのは、私次第って。

惹かれ合っていても、まだ足りない何かがあるの?
< 150 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop