嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
第10話 帰るか
その日の夜は、上手く眠る事ができなかった。

少しの時間眠っては、目が覚め、またウトウトすると目が覚めた。


「はぁー、眠れない。」

起き上がって、水を飲みに、部屋を出た。

「そう言えば、台所ってどこなのかしら。」

いつも水は、ほのさんが持って来てくれるから、どこから汲んでくるのか、分からなかった。

でもいつも行く神殿の方には、台所はない。

だから私は、部屋を出て右側に向かった。


するとほのかな灯りが灯っているのが見えた。

「何だろう、あそこ。」

灯りが漏れている場所に行くと、そこはほのさんの寝室だった。

「まだ、起きてるのかしら。」

台所の場所を聞こうとして、部屋の中を覗いた。

私はその瞬間、目を奪われた。


ほのさんの上に、るか様が重なっているのだ。

「ああ、るか様。もうダメです。」

「まだまだ、足りぬ。」

「でも……もう、3度目でございます。」

「何度でもほのを抱く。今夜は、ほのだけだ。」
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