嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
それを聞いて、胸がズキッとした。

洪水にしたのは、私だもんね。

ごめんなさい、村の人々。


「でも雨が降ったのは、その日だけだった。それからまた雨が降った事はない。」

「ええ?」

「池もひえ上がっている。村の人々は、この湖まで水を汲みに来ている。湖は湧水のおかげで、ひえ上がる事はないからな。」

「こんな山の中まで……」


だんだん腹が立ってきた。

今まで干ばつは、仕方ない事だと思っていたけれど、あの洪水のせいで、本当はるか様だって、雨を降らせる事ができるんだって知った。

「酷い!もう我慢できない!」

何でも何度も、るか様に言いに行っては、言いくるめられていた。

でも今回は、そんな事させない。

もし、ダメだったら、本当に元の世界に帰る!

「奥方、頑張れよ。」

「うん!」

私は部屋を出て、のしのし歩いて、るか様のいる神殿に向かった。

どうせまた、”我の力ではどうにもできない”とか言って、私の意見を無視するんだろう。

分かってる。
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