囚われて、逃げられない
それから一ヶ月。
泰氏と野々花は、一歩も外に出ていない。

仕事は二人とも退職し、食材や服などの必要な物は、育美が買ってきて定期的に届けている。

「野々、愛してるよ……。
あ、首のキスマーク取れちゃったね……
また、つけてあげるね?」
「んんっ…泰氏く……」
「身体のキスマークも、後から見せてね?
取れてるとこは、つけ直さなきゃ!」
「泰氏く……」
「ん?」

「外……出たい…」
泰氏のキス責めを受けながら、訴える野々花。

「ダメ…!
もう、外には出さない!
こんな綺麗で可愛い野々を、俺以外の人間が見るなんて許されない!
外は穢れてるから……」
「少しでいいの。お散歩するだけで……」

「ダメ!
あれ?俺の言うこと聞けないの?」
「あ…ごめんなさい……」
「野々のワガママ好きだけど、こんなワガママは嫌いだよ。
お仕置きしちゃおうっと!」

寝室に移動して、ベットに縛りつけられた野々花。
「身体のキスマークも、やっぱ取れかけてる…
つけ直さなきゃ!
あと………どんなお仕置きにしようか?
食べられるのと、イキ地獄。
どっちがいい?
どっちも失神コースだよ?」
「どっちもやだよ……
ごめんなさい!もう…あんなワガママ言わないから、許して!」

「フフ…可愛いなぁ~!」

異常な彼に、異常に愛される野々花。

もう…逃げられないのだ。

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