囚われて、逃げられない
「だってこんなの……」
「気持ち悪い?」
「う、うん……もう、ずっと一緒にいるんだからいいでしょ?」
野々花は泰氏を見上げ、語りかけるように懇願した。

「フフ…」
「泰氏……くん…?」
「ハハハッ……!」
「泰……」
「野々」
「は、はい!」
「野々はまだ、俺のとこまで落ちてないね……
こんなに一緒にいて、どうしてかなぁ」
「泰氏、くん…」
「普通の精神じゃ、俺と付き合えないって何度も言ってるよね?
野々は言葉通り“俺だけのモノ”だから、野々の人生全て俺のモノなんだよ?
なのに、どうして捨てなきゃいけないの?
いい?
もう二度と!!そんな胸くそ悪いこと、言わないでね!」
「ご、ごめんね!」
「フフ…さぁ、野々。
愛し合おう!!ここで!!」
「え……ここで…?」
「本当はずーーーっと、夢みてたんだぁ。
この野々に囲まれた部屋で野々を抱いて“完全に”野々と二人だけの世界に浸る………
あぁ……これ以上ないくらい、幸せだ……!」

そのまま、フローリングの上に押し倒された野々花。
自分が見ていた。
気持ち悪くて、横に顔を反らすと自分の私物が目に入る。
どこを見ても、山道 野々花に囲まれている。

頭がおかしくなりそうだ。
いや…………
早く、頭がおかしくなりたい━━━━━━

そうすれば、こんな部屋の存在や“異常な”泰氏に愛されることに幸せを感じることができるから。

「野々…野々、綺麗だよ……!
綺麗で、可愛い……愛してるよ……」

「泰氏…く…私も、愛して…る…よ…………」





終
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