小さな恋 大きな愛
不思議なひと
「あっ!」お互いに店内全体に聞こえるデカイ声で…
「バスで会った人ですよね…たしか…お金返さなきゃっ」
「えっ!あーそーですね!でもなんで?」
「俺ここで夜バイトしてるんです。それより先にお金返さないと…」
「あれはいいです。時効です。」
「そんな短い時効ってあるんですか?てか面白いっあっゴメンナサイでも返します」
「いえいえ…」
「今バイト中なんでレジからだと横領(笑)になっちゃうんで後5分で休憩入るんで立ち読みでもして待っててもらえますか?」
美里は少しだけ考えて
「それはいいけど…(公認で立ち読みできるなんて)」美里は立ち読みしながら待つことにした。
「ふむふむ今月の運勢は…と…思いがけないなんちゃらかんちゃら…」
「おまたせっす、裏の方でいいっすか?」
「うん」ちょっとドキドキする。
「この辺の人なの?ここでバイトしてるってことは…」
「バイクで俺は通ってるんでここから30分くらいの所かな…たまたまバイクの調子が悪くて修理中で今日はバスだったんですけど」
「そっか」
「でも乗りなれてなくて小銭もたまたま持ってなくて焦ったよ、助かっちゃったよ、ホントにありがとう」「いえいえ…」
「差し支えなければ名前とか聞いちゃっても…」男の子は恥ずかしげに言った。
「えっ?あたし?あのぉ…」
「やっぱ無理?」
「あの…美里って言うよ、ホラちっちゃいでしょだからミリなんてね…」
「はっはっはーはっ笑っちゃ失礼だねゴメンナサイ、俺は智輝(ともき)って言うよ、ヨロシクね」
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