Your PrincessⅡ
 翌朝、いつも通りのクリスさんの姿があった。
 機嫌が良くて、クラクラするような素敵な笑顔で「おはよう」と言われる。
 昨日の出来事は夢だったのかな? と疑いたくなるような朝だ。

 ホテルを出て、車に乗り込んで。
 まっすぐ、車は進んだ。
 一体、どこを走っているのかはわからないけど。
 クリスさんが「あと少しだよ」と言っていたので。
 目的地までは、あと少しなのだろうと胸を躍らせる。
「蘭が、いるんですよね?」
 急に、不安になってクリスさんを見る。
 クリスさんは「あははは」と声を出して笑った。
「あいつのことだから、玄関で待ってんじゃないのかな。絶対、遅いって言ってそうだ」
 これで、目的地に着いて蘭がいなかったらと思うと。
 私の絶望っぷりは半端なかった。

 いつのまにか、私の目標は蘭と一緒に暮らすことになっていた。
 児童養護施設で暮らしていた「クララ」という女は、私じゃない。
 クララを演じていた私が存在していただけだ。
 本来の自分に戻れるのだと思うと、嬉しい。
 同時に、
 ずっと会いたかった蘭に会える。

 車が森を抜けると。
 どこか懐かしいような風景が広がっていた。
「あれ?」と首を傾げていると。
 車が止まった。

 1年前、住んでいた屋敷が目の前にあった。
 車を降りたと同時に、屋敷の扉が開いた。
 出てきた人物に釘付けになった。
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