Tear Flowers〜永遠の約束〜
「私は、職員の態度が気になりました。職員のことを調べてください」

「わかった」

フィオナの言葉にすぐシオンが反応する。淡々と話す職員、そして何かを言いたげだったテイラー、この孤児院には何かあると確信するのには十分だ。

潜入捜査一日目が過ぎていく。



潜入捜査を始めて三週間ほどが経った。フィオナとレティシアはテイラーに仕事を教わりながら、ガーベラの家の様子をシオンたちに伝えていく。お互いに能力も使った。

「アザミさんの真実の一部が見えた。彼女、かなり借金を抱えているみたいです」

フィオナが言うと、エヴァンが「そりゃあ、ブランド物を新作が出るたびに買い漁ってるからね」と呆れた声で返す。レティシアもため息をついた。

「あんなに指輪もバッグも必要ないでしょ。もっと子どもたちのために使ってあげたらいいのに」

「そうですよね!」

エヴァンが同意し、フリージアもアザミが施設長ということに文句を呟く。その時、サルビアがポツリと言った。

「ルクリア先生が今も施設長だったら、もっと子どもたちは幸せに過ごせたのに……」

そう言うサルビアの声は暗く、レティシアたちは口を閉ざす。フィオナは黙って運動場を走り回る子どもたちに目を向けた。
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