さまよう
どこから入手したのか様々な情報も出回っている。前回生まれた双子はおおよそ百五十年前。その前は二百年ほど前。もっと古い記録では、化け物の子と疑われ死産という扱いにされている。
そんな不確定な情報が出回るといざ本物に出会ったときに不安に襲われ距離を取るのも仕方のないことかもしれない。
しかし彼女は、アウトレットモールで出会った女性は全く驚く素振りが見られなかった。
突然街中で出会ってあんなにも反応がないものなのだろうか。もしかしたら彼女も特殊な能力を取り込んだ人間かもしれない。
そもそも特殊な能力を使う人間と、特殊な能力のない人間に違いはあるのだろうか?彼女にどういうことなのか聞いてみたい。
「あそこに行ったら、あの子は居るのかな」
翼は鼻の奥がツンとして、少しだけ胸が苦しくなった。
翔もまた解らない不安に少しだけ肩を縮ませる。
二人は寂しかった。自分たちは世界から距離を取られていると気付きかけてしまったから。不安や寂しさを知らなかったのは、人との関わりが極端に少ないから。
翔と翼は、翼と翔の温もりを感じたくて自室のベッドでしばらく動けずに居たが、それは叶わないことを知っている。二人は常に重なり合っているが、二人は常に触れ合うことは出来ないからだ。