さまよう
きっかけや偶然の出会いで動き出した双子の心は、今度は一人で生きていくために知らなければいけない沢山のことに揺れ動いている。
楽しい時間は長く続くわけではないが、二度と来ないわけでもない。
それでもきっと迷って悩んでその都度さまようことだろう。その度に双子は亮一を頼るだろう。
双子は思う。
この数年、いや、産まれた時から自分たちは守られ続けて、助けてもらい続けた。
自分たちにできることが何かはまだ明確には見えていない。
悩んで悩んでさまよって試して、成長できた時には誰かに頼られるような人間になっていたいと。
大切な存在を手放さないように生きていきたいと。
そして、彷徨っていた時の自分を忘れずに愛してあげようと。
そのためにはまた明日も自分の普通を楽しもう。
僕達はまださまよう。次の普通を見つけるために。