スカートの中
それから月日がすぎて、気が付けば私は中学三年生。
あの時の彼は卒業していた。

「うわ、またママから連絡だよ」

その当時、母と仲の悪かった私は家に帰ることを嫌っていた。
中学三年生になって訪れた反抗期というものだった。

"今日も図書館で勉強して帰るから遅くなる"

一通のLINEを母に送り、暇を潰そうと携帯を見る。

「うわまってよ充電ないじゃん」

生憎、充電のないまま家を出てきた私には暇を潰す手立てすらなかった。
手当たり次第に連絡を入れて家にあげてもらおうと必死に指を動かす。
その中で、いちはやく返信が返ってきた。
送り主の名前は
"浜野 宏"
あの、憧れていた先輩だった。
既読をつけようか悩みたいところだったが、そんなことを考えている余裕は無いのですぐ返信しようとトーク画面を開く。

"今、どこにいるの?"

"近くの駐車場にいます。これますか。"

"うん。すぐ行くから待ってて"

短い返信だったが、その言葉に安心してしばらく待つことにした。
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