私の婚約者には好きな人がいる
「お嬢様、今日も召し上がらないのですか」

無言でうつむいたまま、三日目の朝を迎えた。
心配そうに静代さんは私の様子を伺っていた。
私はタイミングを見計らっていた。
静代さんは食事以外は鍵をかけて別室に行ってしまう。
手に入れるなら、食事の時間しかない。

「静代さん、スープを飲みたいわ」

「まあまあ!お待ちくださいね」

温めてスープ皿に持って来てくれた。

「ありがとう」

皿を置かれた瞬間、皿をひっくり返してしまい、静代さんの足元にこぼれた。

「大変!静代さん、火傷しなかった?」

「大丈夫ですよ」

「ごめんなさい。手がぶつかって。スープで汚れてしまったわね。足を洗いましょう」

「お嬢様、気になさらないでください」

「あら、だめよ。静代さん、あまり歩き回ると部屋が汚れてしまうわ」

バスルームに行き、静代さんは靴下とエプロンをはずした。
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