私の婚約者には好きな人がいる
ここで話して、他の社員の耳に入り、噂となっては仕事がやりづらい。
私と惟月さんは役員室に戻った。

「以前も言ったが、もう連絡のやりとりはしていない。どういうことなのか、間水に後から話を聞いてみる」

「はい」

もちろん、惟月さんの言葉を信じている。

「お昼休みになりますから、お弁当の用意をしますね」

「ああ」

お湯を沸かして、お茶をいれ、お弁当を並べた。
いつものように二人でお弁当を食べていると、部屋のドアが開いた。
手を止めて顔を上げると、そこには間水さんと中井さんがいた。

「惟月、悪い。ちょっと話がある」

間水さんが惟月さんを呼んだ。
一気に重苦しい雰囲気に包まれ、お弁当どころではなくなってしまった。

「俺も間水に話があるぞ」

冷ややかな目で間水さんを見て、立ち上がった。
二人が廊下に出て行くと、部屋には私と中井さんだけになった。

「高辻さんがお弁当を作っているの?」

「はい、そうです」

「お手伝いさんが作っているんでしょ?それを自分が作ったって言っているんじゃないの?」
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