クールな御曹司は傷心令嬢を溺愛で包む~運命に抗いたかったけど、この最愛婚は想定外です~
「あ…っ」

首筋に唇を這われ途端に甘い声を漏らしてしまう私に、もっと聞かせろとのばかりに熱い唇が私の肌を愛撫していく。

一糸まとわぬ姿にされても、昂った身体はなおも火照り続け、雅己さんの淫らな手の動きに汗を滲ませる。

けれども、シャツを脱ぎ捨て覆いかぶさってきた逞しい身体は、それ以上に熱かった。

濃厚なキスを施されながら、すっかり雅己さんに染められきった私は、今まさに押し寄せようとしている快楽に眩暈を覚えるほどの昂りを感じ、目をうっとりと閉じる。

「芽衣子…」

ひどく掠れた声。

それが示しているのは、私を貪欲に求める雄の欲望。

甘い甘い陶酔に蕩けそうになりながら、

「っあ…」

私は押し入ってくる欲望の塊に声を漏らした。

私だって渇望していた。
だってこの身体は雅己さんに花開かれて、この先何年、何十年も、彼のために熟していくのだから。
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