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☆☆☆

友達と水族館!


この私が?


着替えて外へ出ても未だに信じられない気持ちだった。


もしかして多美子に嘘をつかれているんじゃないかと不安な気持ちが浮かんでくる。


でも大丈夫。


相手はあの多美子だ。


私に意地悪なことなんてするはずない。


そう思って約束場所のバス停に到着すると、多美子はすでに到着していた。


ツバの広い麦わら帽子に白いワンピースを着ていて夏っぽさ満載の格好だ。


「ごめん、遅れちゃった」


「全然。バスが来るのは5分後だから大丈夫だよ」


多美子はそう言って水族館のチケットを見せてくれた。


嘘じゃなかった……。


嬉しさが胸にこみ上げてきて泣きそうになってしまう。


どうにか涙を押し込めて2人でバスに乗り込むと、他にも水族館へ向かう家族連れとかカップルの姿が多く見られた。


「やっぱり私服だと雰囲気変わるよね。そのブラウス可愛い」


多美子に言われて自分の服を見下ろした。
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