毒林檎令嬢と忠実なる従僕〜悪役はお断りなので冷徹な狼従者を甘やかしたら、独占欲強めに執着溺愛されました〜
そんな彼の上着は、もともと長丈というのもあるけれど、今や私の膝を隠すほどになっている。
「ふわぁ……。あったかい」
彼のぬくもりが残る上着が全身を包んで、首や腕などの晒された素肌に触れる。
微睡みの最中に驚きで飛び出してきたお布団みたいに暖かくて、ベッドと睡眠を恋しく思わせた。
だって、本来の起床時間はまだ二時間先だったんだもの。
「あぁ、このまま寝たいわ……」
ぬくぬくのお布団に包まれた感触を思い出しつつ、うっとりと呟く。
すると、目の前のアルトバロンの笑みがピシリと音を立てて固まった。もふもふの尻尾なんか、時が止まったのかと錯覚するほど硬直している。
「は?」
しかも時間差で、絶対零度の冷たい声音で問われて、「あっ、あっ、違うの」と慌てて返す。
「こんな時に二度寝なんかしないわっ。いくら私が睡眠大好きでも、さすがにねっ?」
「ふわぁ……。あったかい」
彼のぬくもりが残る上着が全身を包んで、首や腕などの晒された素肌に触れる。
微睡みの最中に驚きで飛び出してきたお布団みたいに暖かくて、ベッドと睡眠を恋しく思わせた。
だって、本来の起床時間はまだ二時間先だったんだもの。
「あぁ、このまま寝たいわ……」
ぬくぬくのお布団に包まれた感触を思い出しつつ、うっとりと呟く。
すると、目の前のアルトバロンの笑みがピシリと音を立てて固まった。もふもふの尻尾なんか、時が止まったのかと錯覚するほど硬直している。
「は?」
しかも時間差で、絶対零度の冷たい声音で問われて、「あっ、あっ、違うの」と慌てて返す。
「こんな時に二度寝なんかしないわっ。いくら私が睡眠大好きでも、さすがにねっ?」