【カルマ〜青春白書】1章完結
【カリスマ】
庄司のわかりやすく、淡々とした伝達が終わると、キャプテン和也が庄司と場所を入れ換えた。
和也→「みんな、お疲れ〜、いよいよ明日、待ちに待ったスタートがきれるね。明日の二中、かなり強いみたいね。ちなみにスターティングメンバーに一年を四人起用するから。ただ、わかってるね?全員で戦うんだ。一人一人が風早の誇り高きメンバーであることを自覚しよう。」
山田は、話しを聞いている一人一人の表情を順番に見つめていた。彼等はなんのために、厳しい練習をしてきたか?そして、なんのために全力なのか?山田にはわかるようで答えが見えなかった。 ただ、言えること……それはただ単に勝ち負けの結果を求めているのではなく、きちんとしたアウトプット目標をもった、
それを達成するための
プロセスがここにはあるということだ。
和也の一言一言、あの厳しかったバレー部顧問の面影が、山田の脳裏にシンクロする。厳しさのなかに垣間見ることの出来る情熱と、にじみでては自然に浸透する優しさは、やはりカリスマにしか出せない魅力であった。
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