粗大ごみを拾ってしまった(恋する冥府の王・死神シリーズ2)
<上条ミイヤの部屋・21時>

その晩の9時に
ドアチャイムが鳴った。

ミイヤの予想どおり加賀城だった。

「夜分遅くなってすみません・・」

ミイヤはドアを開けた。

「あのねぇ!あなた、
何のつもりでうちの住所書いて・・・」

加賀城は言葉を遮る(さえぎる)ように頭を下げて、
持っていたキャリーケースを出した。

「これ、預かってください!
お願いします!」

キャリーケースのなかで
小さくニャーと鳴いている。

「え・・猫・・」

「友達に預けていたのだけど、
もう、無理って言われて・」

加賀城は罰が悪いような、
期待するような微妙な顔をして
ミイヤを見た。

「その・・いきなり言われも・・」
ミイヤも戸惑った。

「こいつ、
めちゃくちゃかわいいんだけど、
見てくれる?」

加賀城は少年のように笑顔を向けた。

ミイヤもそれに、つい、つられてしまう。

「え・あ・・ほんとかわいい・・」

キャリーケースの中には
なかなか美人さんの白い子猫がいる。

「オッドアイで、ほら、
目の色が違うでしょ?青と緑」

加賀城が自慢げに言い、
キャリーケースの扉を少し開けて
見せた。

「こいつ、俺にはなついてくれないんだ・・まったく」

加賀城はミイヤに手の甲を見せた。

明らかにわかる、
猫が抵抗したひっかき傷が、何か所かついている。

ミイヤは思わず笑ってしまった。

それを見て加賀城は、じらすように言った。

その目が妙に色っぽい・・・・
「ふふ・・抱っこする?」

もう、ダメだ。
ミイヤは猫をキャリーケースから
そっと出して抱っこした。

子猫は抵抗せず、すんなりとミイヤの手に収まった。

温かくてふわふわで柔らかい。
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