粗大ごみを拾ってしまった(番外編その1) 大森カラスの憂鬱

大森のオーバーワーク

<冥府の王宮・大森の執務室・19時>

「大森様、
まだお仕事なさるのですか?」

紅い髪の小柄な子鬼の秘書が、書類を抱えて質問した。

子鬼は胸の谷間がチラチラする程度に、白いシャツを開きぎみに着ている。

それに片側の乳房には、ヤモリのタトゥーが見え隠れする。

「ああ、瞑王様案件が難門でね・・
君はもう帰りなさい」

大森は机の上に広げた書類に、目を落としながら、言った。

「瞑王様が、ご結婚されるなんて・・・私ショックですぅ」

子鬼が口を尖らして、すねるように言った。
「冥府の女の子たちが、もう大変なんですよ。

遊びならいいけど・・結婚なんて」
大森はため息をついた。

<それだけじゃないんだ・・
ミイヤの妊娠の件もあるし・・>

「大森様、瞑王様のお相手って、
現世の<人の女>って聞きましたけど、本当にそうなんですか?」

噂は早いな・・
大森は再度ため息をついた。

その大森の反応を見て、
子鬼は
「やっぱりそうなんですね。
天界の人ならあきらめるけど・・
<人の女>って、異常事態ですよね」

<だから大変なんだ・・>

大森は書類から目を上げて、すねている子鬼を見た。

「君は早く帰りなさい。後は私の仕事だから」

子鬼は可愛らしく頭を下げた。
「それではお先に失礼します」

パタン・・・
扉が閉まり、大森は一人になった。
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